(1)う蝕活動性試験

 このテストは、あなたの口の中の虫歯菌が作り出す酸がどれくらい強いかを調べるテストです。口の中と同じ状態を試験管の中で再現し、試験液の色変化により虫歯のなりやすさを判定します。試験結果が悪くても、あなたのディフェンスパワー(唾液が虫歯を抑える力)が強ければ少し安全です。ディフェンスパワーを調べる別のテストも受けてみてください。
(2)顕微鏡
 患者さんには、どんな細菌が活発に活動しているのか、顕微鏡をチェアーサイドのモニターに写し出して実際に細菌を見てもらいます。
(3)唾液の緩衝能
 浄化作用、緩衝作用、抗菌作用、再石灰化作用など、唾液には様々な効果があります。唾液の検査を行うことで、口腔内細菌の検出だけでなく患者さん固有の唾液の性質に関する様々な情報が得られることにより、カリエスリスク(う蝕危険度)の程度を知ることができます。
その結果、う蝕予防プログラムの作成、予防処置効果の検証など、一歩進んだ幅広い歯科医療が可能となります。
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唾液のすごーい働き
唾液には、消化を助けるといった作用のほか、
さまざまな働きがあり、う蝕や歯周病から私たちを守ってくれています。
希釈・洗浄作用
口腔内の細菌や食物残渣(食べかす)
などを希釈し洗い流します。
歯の保護作用
唾液のタンパクにより
ペリクルを形成し、歯を保護します。
抗菌作用
さまざまな抗菌物質により、
細菌の発育を抑制します。
歯の再石灰化作用
脱灰して失われたカルシウムや
リンを補い、再び石灰化させます。
緩衝作用
酸性に偏った環境を中性に戻します。
免疫作用
唾液中の免疫グロブリン(主にIgA、IgG)
が、S.mutansをはじめとする口腔内細
菌に対してさまざまな防御作用を示します。
上記のほかにも、消化作用、排泄作用、潤滑作用、味覚や水分調節作用など
全身の健康にも大きく関わっています。
 
脱灰・再石灰化のメカニズムと唾液の緩衝作用
歯の脱灰と再石灰化を考えるうえで、唾液の緩衝作用は
はずすことのできない重要なファクターです。
緩衝作用とは、酸性になった環境を中和させる働きをいいます。
ここでは、脱灰と再石灰化のメカニズムについておさらいしながら
唾液の緩衝作用について解説しましょう。
   
脱灰
 
緩衝作用と再石灰化
エナメル質の無機質は、リン酸カルシウムのひとつであるハイドロキシアパタイトからできており、通常は唾液やプラークなどの溶液の構成成分と平衡状態になっている。   溶液のpHは下がり、酸性環境になると、エナメル質は飽和度を保つために溶解し、カルシウムイオンとリン酸イオンを補う。   溶解中に重炭酸イオンが多いと、水素イオンと反応して、pHは上がり、中和される。さらに溶解し、解離したリン酸イオンと水酸基イオンも水素イオンと反応する。こうして中和され、過飽和になると溶解中のリン酸イオンやカルシウムイオンは再びとり込まれ石灰化する。
(4)SC(スケーリング、機械的清掃)
 超音波で薬液により、口腔内の見える部分のよごれを除去していきます。
(5)PMTC
歯面を研磨し、プラークがつきにくくします。
詳細はこちら
ポリッシングブラシ
ポリッシングカップ
エバチップ
(6)フッ素
歯をまもるフッ化物
う蝕の予防について考えるうえで、はずすことのできないキーワード、
それがフッ化物です。唾液とともにう蝕発症および予防のプロセスのなかの
多くのステージで深く関連しています。フッ化物は、自然界のどこにでも存在し、
私たちの身近な食品などにも含まれています。
フッ化物の作用機序
脱灰
再石灰化
脱灰してしまったエナメル質も、周囲にフッ化物が存在すると、再石灰化が促進され、
より結晶性の高い歯質になるといわれています。
そしてその一部は、さらにより結晶性の高いフルオロアパタイトとなり、
耐酸性が高く、う蝕になりにくい歯に生まれ変わります。
(7)TBI
 個々の患者さんの口腔内に合わせたブラッシングの方法を衛生士さんといっしょに練習していきます。また歯の汚れを染め出しして、 どの部位が歯みがきしにくいのかを、口腔内カメラで見ていきます。また間食の取り方、歯ブラシをする時間なども個々の患者さんの生活環境に合わせて考えていきます。
(8)3DS
 歯面をきれいに研磨したあと、ドラッグ・リテーナーとよばれる個人トレーで、殺菌性のある薬物を歯面に輸送し、歯面に健全な膜をつくり、虫歯を強力に予防します。
3DSの手順
薬剤を口腔内に注入します
口腔へ装着します
装着完了
(9)衛生士さんによるアドバイス
 衛生士さんにより、総合的に患者さんの口腔内の診断をします。そしてこれからどのように良い状態を維持していけるかを考えていきます。
むし歯のリスクチェック
むし歯のチェックシート